「小学校の準備はできている?」と聞かれると、できているか、いないかの二択のように感じます。文部科学省の幼稚園教育要領は、別の見方をしています。幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を10の視点で描き、それは到達すべき目標ではなく、遊びや生活の中で少しずつ育つものだとしています。この記事では、その中から家庭で見やすいものを選び、遊びのアイデアといっしょにご紹介します。
10の姿とは
幼稚園教育要領(2017年告示)が挙げる10の姿は、健康な心と体、自立心、協同性、道徳性・規範意識の芽生え、社会生活との関わり、思考力の芽生え、自然との関わり・生命尊重、数量や図形・標識や文字などへの関心・感覚、言葉による伝え合い、豊かな感性と表現です。保育所保育指針と幼保連携型認定こども園教育・保育要領にも、同じ10の姿が書かれています。
文部科学省のパンフレットは、これらが「到達すべき目標ではない」こと、一つずつ取り出して教えるものではないことに注意をうながしています。
1. 健康な心と体、自立心
体を思いきり動かし、自分でできることを自分でやってみる姿です。毎日の暮らしでは、階段の上り下り、ボールを受ける、ボタンをとめる、はさみで切る、鉛筆を持つ、といった場面に見えます。
遊びのアイデア: けんけんぱ、ボール遊び、粘土、ビーズのひも通し、切って貼る工作、大きな紙にお絵かき。
2. 思考力の芽生え、数量や文字への関心
気づいたり、比べたり、考えたりする姿と、数や形、文字に興味を持つ姿です。
遊びのアイデア:
- なにがなくなった? 物を5つ並べ、子どもが目をつぶっている間に1つ隠します。
- さがしてみよう: 赤いもの、まるいもの、「あ」で始まるもの。
- なかまあつめ: くつしたとくつした、カードとカード。
- おやつをかぞえる: 「みんなに2こずつ配ると、いくつ?」
3. 言葉による伝え合い
経験したことや考えたことを言葉で伝え、相手の話をよく聞く姿です。
遊びのアイデア: お話リレー(大人が文を始め、子どもが続け、また大人の番)、しりとり、「きょういちばん楽しかったこと」を夕ごはんのときに1つずつ話す。
4. 協同性、道徳性・規範意識の芽生え
友だちと思いや考えを共有し、きまりを守り、順番を待つ姿です。短い役割を最後までやりとげ、困ったときに助けを求める場面にも見えます。
遊びのアイデア: 順番を待つすごろくやカードゲーム、最後まで任せる小さなお手伝い(はしを並べるなど)、交代で1つずつ積む積み木。
研究からわかること
6つの長期データを分析した研究(Duncanほか、2007年)では、入学時の力のうち、その後の学校の成績を最もよく予測したのは早い時期の数の力で、次に読みに関わる力、そして注意力でした。だからといって、幼児に授業をする必要はありません。かぞえること、音で遊ぶこと、注意して聞くことは、毎日の遊びに入れられます。アイデアは遊びで育つはじめての数と読む準備にあります。
気になることがあるとき
園の先生に話してみましょう。文部科学省は、年長さんから小学1年生までの2年間を「架け橋期」と呼び、園と小学校が連携して子どもの学びをつなぐ取り組み(幼保小の架け橋プログラム)を進めています。入学の時期と手続きは子どもは何歳で小学校に入学する?にまとめました。
Tekiには、からだ、手先とお絵かき、ことばとお話、注意力と記憶、数、自分でできること、気持ちの7つの分野の短いあそびがあります。点数の代わりに、何を練習したかを表示します。Tekiのしくみ





